CQ誌「以心電信」のインターネットCWシステム比較表にDitDahChatが載りました

CQ ham radio 2022年4月号のJE1TRVさんの連載「以心電信」にインターネットでモールス通信ができるシステムの比較表が載っていました。

ham.cqpub.co.jp

比較されているのは次の3システムです。DitDahChatも比較の対象として取り上げられていて、 既存のインターネットCWシステムと肩を並べられるほどになり、とても嬉しいです。

  • CWCom
  • VBand
  • DitDahChat

これら以外にもインターネットでモールス通信できるシステムとしては、Peanut CWやiCW (internet CW)もありますが、 上記システムとの違いは、純粋にモールス符号だけで会話できるかにあります。 Peanut CWとiCWは、音声でリアルタイムに会話できるボイスチャットシステムの上にモールス符号のトーンを載せる仕組みを使っていますので、 音声入力に外部マイクを使えば話すこともできます。

DitDahChatも音声や映像をリアルタイムにやり取りする仕組みをベースにしているので、Peanut CWとiCWに似てはいるのですが、 DitDahChatの場合は外部マイクの接続はできず、クライアント内部で発生させたトーンのみを送受信しますので、 モールス符号だけで会話できるシステムの仲間です。

比較表に載っている上記3システムのうちCWComについては、サーバは動作しているものの、公式サイトが消滅しているそうです。 クライアントアプリはミラーサイトからダウンロード可能なようですが、初めての方におすすめするのは少し難しいと思います。

残りの二つ、VBandとDitDahChatについて、誌面での比較に加えて技術的な面の比較を追加してみると次のようになります。

VBand DitDahChat
通信プロトコル WebSocket WebRTC/WebSocket
モールス符号伝送 打鍵のタイミング(spaceとmark)の制御データ ブラウザ内部のオシレータの音声
外部電鍵によるキーイング USBインタフェイスでキーボードの左右コントロールキーの押下をシミュレート シリアルポートの断続
リアルタイム性 △(spaceとmarkのタイミングが取れてから送信?)

DitDahChatは外部電鍵によるキーイングにシリアルポートを使用していますので、使用できるOSとブラウザに制約があります。 一方、VBandの方は専用のUSBインタフェイスが提供されていて、PCに接続するとキーボードとして認識されて、 打鍵はコントロールキーの押下をシミュレートしているそうです。キーボードなら制約も少なく、より多くのデバイスに電鍵を接続できますね。

DitDahChatもコントロールキーを受け付けるようにしたら、VBandのインタフェイスで打鍵できるかもしれません。 そうなれば、スマホに電鍵を接続して手軽に移動運用なんてこともできそうです。

誌面で紹介されている比較表はA1 CLUBの次のページにも掲載されていますので、ご興味のある方はそちらもご覧ください。

https://a1club.org/CWC/