複式電鍵をゆるく自作してみた

愛用しているGHD GF501Aも生産終了になり、国産の複式電鍵を手に入れるのがますます難しくなりました。複式電鍵をメインのキーとして使っているものとしては寂しい限りです。

複式電鍵は他にハイモンドのMK-704Zと、GF501Aをもう一台所有しています。MK-704Zは打鍵時の音がかなり大きいことが難点です。シングルレバーのエレキー用パドルとして使うなら打鍵数が少なくなりますが、すべての符号を手作りする複式電鍵として使うとカチャカチャという音の連続が気になり、家の中で使うときは気をつかうためほとんど使用していません。
もう一台のGF501Aはレバー側の接点とネジ側の接点の中心位置が微妙にずれていて、 運用に支障はありませんが、普段は使わずに予備として置いてあります。

複式電鍵は比較的自作しやすいとのことなので以前から作ってみたいと思っていました。ウェブサイトを眺めてみたり、ホームセンターで使えそうな部品を揃えてみたり、和文交信中にOMさんにアドバイスをいただいたりと準備はしていましたが、不器用なのでできるだけ部品の加工のいらない方法はないかと考えているうちに時間が経ってしまいました。

今年こそはと思い、そろえた部品を出して並べてあれこれしていると、あることに気付きました。ほとんど加工することなく簡単に組み上がりそうな気がして試すことにしました。

完成した複式電鍵はこのようになりました。

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使用した部品は次の通りです。

  • 金切鋸刃(角利産業 金切鋸刃No.5)
  • L型金具
  • ミニS型金具
  • ねじ M5x10 1組
  • ねじ M5x30 4組
  • ねじ M3x10 1組
  • 丸型圧着端子 R2-5
  • 配線コード 0.5sq
  • 平網銅線
  • 番号札

レバーとして使う金切鋸刃は切断したい部分を中心に曲げていくとパリンと割れます。この鋸刃の端にあいている小さな穴に番号札を取り付けます。これを二つのL型金具に挟んで、ねじとナットで締め付けるだけです。

接点は小さいS型金具を使いました。この金具の高さがL型金具に取り付けた鋸刃の高さにちょうど合います。

これらを台の上に配置していくことになるのですが、その台にはMK-704Zの大理石の台を使いました。大理石にあいたネジ穴が鋸刃を挟んだL型金具の穴とピッタリです。

接点のS型金具も大理石の穴に取り付けてみると、鋸刃との間に程よい隙間ができます。接点間隔が固定で広めになりそうでしたが符号をトロトロさせないためには良さそうです。

最後に左右の接点の間を配線コードで繋げて複式電鍵の完成です。

この状態で無線機に繋げて打鍵してみると、接触が悪いようで符号が擦れます。そこで、平編銅線をS型金具のネジ穴に通して巻きつけました。これで符号も擦れなくなり、さらに打鍵音も小さくなり快適な打鍵感触にもなりました。

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早速7MHzの移動局と交信してみたところ問題なさそうです。ただ、最後の「E E」の部分でレバーを弾いてしまいブルルとおかしな符号になってしまいました。GF501Aではこのようにならないようにレバーを上から押さえ付けているようですね。
その後、DitDahChatで和文交信して、お相手の局から問題ないとのレポートもいただけました。

ほとんど部品に手を加えずにただ部品を組み上げただけの、ゆるい電鍵製作記事になってしまいました。